穢銀杏狐月

穢銀杏狐月

事は起すに易く、守るに難く、其終りを全くすること更に難し。努力あるのみ。一途に奮励努力せよ。

夢日記

夢路紀行抄 ―粉々に―

夢を見た。 砕け散った夢である。 まず、私の身長が一気に15㎝以上も伸びて、196㎝になっていた。 後から思い合わせると、この数字の出どころはサントリーの缶チューハイに屡々プリントされている「-196℃」とみて相違ない。 常日頃、何に興味を惹かれている…

夢路紀行抄 ―蘇生の代価―

夢を見た。 噛み殺される夢である。 ここのところ、南洋関連の書籍を好んで読み漁った影響だろう。蛮煙瘴雨の人外境が、ものの見事に昨夜の夢寐に再現された。 私はそこで、何かしらの調査事業に携わっていたらしい。 半球型のコテージまで建て、拠点とし、…

夢路紀行抄 ―機会損失―

夢を見た。 本を探す夢である。 舞台はどこぞの古本屋、それも床は打ちっぱなしのコンクリートに、照明は等間隔で吊るされた裸電球数個という、いかにも(・・・・)な雰囲気の店だった。 カウンターにでん(・・)と置かれたラジカセからは、どういうわけか…

夢路紀行抄 ―寝相、うつ伏せ、ショットガン―

どうも近頃、寝相が悪くて難儀する。 意識が眠りに落ちる前、確かに姿勢は仰向けだった。にも拘らず朝目覚めると一八〇度反転し、うつ伏せ状態になっている。そのくせ布団にさしたる乱れもないのだから不思議としかいいようがない。いっそカメラでも設置して…

夢路紀行抄 ―覗きの報い―

夢を見た。 機械と猫の夢である。 時刻は夜。私はどこか、海に近いホテルの一室に投宿していた。 部屋立ては、なんてことない。 テレビにベッド、こじんまりした丸テーブルと、簡素ながらも必要十分な道具は揃ったありきたりのビジネスホテル風である。 が、…

夢路紀行抄 ―原始的な精密機械―

夢を見た。 電子回路の夢である。 遮光カーテンを閉め切った部屋、薄ぼんやりとした光源。洞窟を思わせる湿った空気を吸いながら、私はただもうひたすらに、めちゃくちゃな桁数の四則演算に取り組んでいた。 道具は鉛筆と藁半紙、それと自分の頭のみ。原理は…

夢路紀行抄 ―そうは問屋が卸さない―

夢を見た。 とち狂った夢である。 紅魔館の庭先で、十六夜咲夜と紅美鈴が相撲をしていた。 むろん、まわし一丁の姿で、だ。 神聖な土俵にあがる以上、当然の仕儀といっていい。 ただ、どういうわけかカチューシャと人民帽だけは、それぞれ被ったままだった。…

夢路紀行抄 ―脱衣ロッカー大迷路―

夢を見た。 転換激しい夢である。 最初は確か、工場だった。 私は灰色がかった作業服を着てベルトコンベアの前に立ち、延々と運ばれてくるプラ容器にハンバーグを詰める作業に没頭していた。 このあたり、背景を探るに難はない。 間違いなく夕飯の献立の影響…

アジア主義者の肝試し ―京橋区の幽霊旅館―

毒が残っているやも知れない、素人捌きのフグ鍋を、好んで囲んだ江戸っ子のように。 あるいは狭い室内で、無数の兎を撃ちまくり、点数を競った仏人のように。 男というのは度胸試しが好きでたまらぬいきものだ。 (長谷川哲也『ナポレオン ―覇道進撃―』1巻)…

夢路紀行抄 ―間違い電話―

夢を見た。 埒のあかない夢である。 直前まで何をしていたかは憶えていない。鮮明なのは、携帯がけたたましく鳴り響いてからである。 着信を知らせる音色であった。 私は特に発信元の番号を確かめもせず、半ば反射でそれに出る。後から思えば迂闊としか言い…

夢路紀行抄 ―シタタカ毒虫―

夢を見た。 有名人の夢である。 始まりは、確かショッピングモールの通路であった。 全体的に黄色みがかった配色で、ただもうそこに居るだけで、細胞が踊り出すような、陽気な気分になってくる。 建築の妙と言うべきだろう。 幅も広い。重戦車でも悠々走行で…

夢路紀行抄 ―期限の束縛―

夢を見た。 迂闊千万な夢である。 駅へと向かう道すがら、私のアタマに唐突に、ずっと昔に借りたまま部屋の隅っこに転がしっぱなしのDVDが浮かんだのである。 (しまった) あわてて引っ返すことにした。 が、先刻通過した際には影も形もなかった筈の抗議デ…

夢路紀行抄 ―八重鳥居―

夢を見た。 石畳をゆく夢である。 おそらくは御影石であろう。幾何学的な美しさを以って敷き詰められたその上を、一歩一歩地面の堅さを確かめるような足取りで行く。 道の先には古色蒼然とした鳥居があった。 大鳥居といっていい。 その気になればバスでもト…

夢路紀行抄 ―験を担いで―

夢を見た。 麻雀を打つ夢である。 いつからか、私はバスに乗っていた。ガタゴトと揺れるそのバスは、どうやら山形県の海岸沿いを走行中であるらしい。窓外を、いちめん蔦に覆われた、今にも崩れ落ちんばかりの喫茶店が横切った。 ――目的地までは、だいぶ間が…

夢路紀行抄 ―鏡に映るは―

夢の中で鏡を覗くということは、考えようによってはひどく不気味な行為でないか。 丁度そんな体験をした。 つい今朝方のことである。 手洗いを終え、水滴を拭っている最中、何の気なしにふと顔を上げ、目の前の鏡に視線を投げる。 どこの家の洗面所にもあり…

夢路紀行抄 ―変態する同居人―

夢を見た。 鳥が猫になる夢である。 夢の舞台は、現実の私の部屋と変わらない。そっくりそのままといっていい。枕元の時計の位置まで完全に再現されていた。 ただ一点、明確な差異は、窓のサッシに鳥の巣が出来ていたことか。 藁や枯草を組み合わせて設えら…

夢路紀行抄 ―不思議のダンジョン「狛犬の台座」―

夢を見た。 門前町の夢である。 神社への参道沿いに細長く形成されたその町は、歴史の滲みた土産屋などがところせましと軒を連ねて、参拝客でごった返し、あたかも縁日の趣を呈していた。 ――わが国目下の情勢では顰蹙を買うに相違ない、そんな光景の只中を。…

夢路紀行抄 ―きれいにならぬ―

夢を見た。 不毛極まる夢である。 夢の中、私は慣れ親しんだ自宅のシンクに突っ立って、ひたすら洗い物に勤しんでいた。 山積する汚れた食器を、無用な水道代が嵩まぬように効率を心がけつつ雪いでゆく。 ところがこれはどうしたことか、泡を落として水切り…

夢路紀行抄 ―車中談議―

夢を見た。 車の中の夢である。 ふと気が付くと友人の運転する車の助手席、そこに座って雑談に興じる私が居たのだ。 車内にはラジオも音楽もかかっておらず、ただ二人の話し声だけが響いていた。 友人は私に、多年の研究の果てに見出したという真理について…

夢路紀行抄 ―暁美ほむら 対 銀の人―

夢を見た。 地球を守護(まも)る夢である。 『魔法少女まどか☆マギカ』の主要人物・暁美ほむらがその能力で時間遡行を繰り返すうち、どういう理屈か『地球防衛軍5』の世界線へと迷い込み、わけもわからぬまま巨大生物やエイリアンどもと殺し合う――話の筋は…

夢路紀行抄 ―呪いと海に底は無く―

夢を見た。 名状し難き夢である。 最初、私は海に居た。 360度何処を見ても岩礁の一つさえ目に入らない、大海原のど真ん中。 空の青と海の蒼とで塗り潰された、ある種の異界に在って私は、大口開けて迫り来る人喰い鮫から必死の思いで逃げていた。――こともあ…

夢路紀行抄 ―牙を剥く脳みそ―

夢を見た。 何をやっても上手くいかない夢である。 蛍光灯の冷たい光。 意匠というものを一切凝らさぬ堅い壁。 無機質なことこの上ない、どこか病院を思わせる一室で、ふと気が付くと、私は太巻き寿司をつくる作業に従事していた。 部屋には私以外にも十人前…

夢路紀行抄 ―お墨付き―

夢を見た。 二度寝の合間の夢である。 一度は目を覚ましたにも拘らず、寒さと惰性に押し切られ、再び布団にもぐり込んだ私の意識はあっという間に夢の中へと旅立った。 その世界の情景は、現実世界の私の部屋とほとんど何も変わらない。机には炬燵布団が被せ…

夢路紀行抄 ―荒野を走るセルロイド―

夢を見た。 息せききって、疾走(はし)り続ける夢である。 昨夜の私の夢の舞台は、さながら『フォールアウト』シリーズにでも登場しそうな寂莫たる一面の荒野。道路らしい道路もなく、烈日に照らされ、ひび割ればかりが目に付く大地。そんな場所で、私は何…

夢路紀行抄 ―星の丸み―

夢を見た。 断崖を、延々下り続ける夢である。 それも『デスストランディング』に登場する、ロープ用パイルを使いながら。 パイルを突き刺し、ロープを垂らし、右に左にトラバースを繰り返しつつ下降してゆく。 ロープの限界、30メートル圏内に、次の下降の…

夢路紀行抄 ―葦名流 対 二天一流―

夢を見た。 『隻狼』の葦名一心と、『刃牙道』の宮本武蔵が立ち合う夢だ。 どうしてそうなったか、経緯についてはよく憶えていない。 確か私の夢世界では武蔵は一心の食客で、彼の屋敷で起居する身分であったのだ。 その武蔵がふとしたことから同じ食客の一…

夢路紀行抄 ―嗚呼懐かしのセンター試験―

夢を見た。 鉛筆を削る夢である。 夢の中、気付いてみれば私は懐かしのセンター試験会場に立ち返っていた。 人生を決める大一番――。 ところが斯くも重要な試験に、これはなんたる不注意か、ペンケースの中には万年筆しか入っておらず、シャーペンも鉛筆も消…

迫る台風、募る心労

大正時代に活躍した医学者にして文筆家、小酒井不木はその著書に於いて、 病中癪に障るものの一に検温器がある。検温器そのものが癪に障るのでなくて検温器の示す度数が癪に障るのである。よく考へて見れば検温器は正直に体温を示してくれるのであるから少し…

夢路紀行抄 ―墓参り―

夢を見た。 死者と話す夢である。 祖母の墓に詣でるために山奥の実家に向かったところ、なんと遺骨壺に納められたはずの祖母その人が、玄関口で 「てっ、よく来たじゃんけ」 と大層賑々しく出迎えてくれたからたまらない。 視界がくるめくような戸惑いに襲わ…

夢路紀行抄 ―絡みつく水―

夢を見た。 プールで泳ぐ夢である。 屋内型のプールであった。 幅は、広い。縦横ともに、明らかに五十メートルを超えている。 ところがその広いプールの総てのレーンに先客がいて、私の泳ぐ余地がない。 誰かが上がり、レーンが空くのを待つべきか? いや、…