穢銀杏狐月

書痴の廻廊

事は起すに易く、守るに難く、其終りを全くすること更に難し。努力あるのみ。一途に奮励努力せよ。

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唯一、霧散を逃れしは


 ここ最近、熊が人を襲うニュースを立て続けに耳にしたからに違いない。


「娘のGPS反応を熊の巣穴で見つけちまった母親みたいな顔だぜ」と、こういうセリフをつい今朝方の夢の中でかけられた。

 

 

 


 他の内容は起床と共に霧散して、全部忘れてしまったが、この比喩、あるいは悪口だけはうまいこと、固形化して残ってくれた。


 よほど印象的であったのだろう。


 実際問題、なかなか乙な表現である。


 俺の夢である以上、つまりは俺の無意識が俺に対して吐いたのであり、これに感心するというのは自画自賛以外のなにごとでもなく、それはもちろん、俺とて自覚しているが――なにやら「俺」とか「自分」とかいう文字列がゲシュタルト崩壊しかかってきた。


 夢日記をつけ続けると気が狂うとはこういうことか?


 そんなわきゃあないだろう。


 夏が近づき、うだるような暑さの予兆にストレスが昂じているのか知らん。ふと気がつくと突飛な方へ筆を曲げそうになっている。

 

 

(数年前、山梨の夏)

 


 夏は嫌いだ。


 失言の嵩む時季である。


 ただでさえ不快なシーズンに要らぬ面倒を持ち込んで、もっと不快に陥らせては堪らない。墓穴を掘るのは勘弁だ。せいぜい用心しておこう。

 

 

 

 

 


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