穢銀杏狐月

書痴の廻廊

事は起すに易く、守るに難く、其終りを全くすること更に難し。努力あるのみ。一途に奮励努力せよ。

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夢路紀行抄 ―寝相、うつ伏せ、ショットガン―

 

 どうも近頃、寝相が悪くて難儀する。


 意識が眠りに落ちる前、確かに姿勢は仰向けだった。にも拘らず朝目覚めると一八〇度反転し、うつ伏せ状態になっている。そのくせ布団にさしたる乱れもないのだから不思議としかいいようがない。いっそカメラでも設置して、運動経過を観察したくなるほどだ。

 

 

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 と、あまり悠長に構えてばかりもいられない。


 長時間うつ伏せを続けた場合、怖いのは内臓の圧迫だ。血流だって滞るし、首の負担も馬鹿にならない。矯正したいのは山々であるが、事は無意識に属するだけに、どこから手をつければよいのやら、途方に暮れる感がする。


 せいぜい夜食を厳禁し、睡眠時には胃の腑を空にしておくように心掛けるぐらいだろうか。逆流性食道炎など、万が一にも患いたくない。胸焼けの苦しみは胃潰瘍でとうに飽き飽きしてるのだ。

 


 ――昨夜の夢はそんな不安の多いうつ伏せのもと、展開されたものだった。

 

 

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 旧友たちと集まって、同窓会の準備に勤しんでいたのも束の間のこと。気付けば荒廃したハイウェイの上、古タイヤや有刺鉄線を利用して構築された陣地に籠り、ゾンビの波状攻撃を撃退する自分があった。


 武装はナイフと火炎瓶モロトフ・カクテル、それからショットガンが一挺ばかり。フランキスパスを思わせるポンプアクション式の得物で、リロードの手応え抜群であり、この感触を味わえるなら何度だって最前線に身を投じてくれようずと、陶然として思いさえしたものである。


 ゾンビの頭を次から次へと柘榴みたいに吹っ飛ばしつつ。それでも気分は天界の狭霧を呼吸してでもいるかのように、一貫して爽やかだった。

 

 

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 ――俺のリロードはレボリューションだ!


MGS3』に於けるリボルバー・オセロット台詞を、つい叫びたくなる夢だった。

 

 

 

 

 


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