「赤と黄とのだんだん染、それも極く大きな柄に染められてゐる、そんな衣裳をつけた人間が、あとへあとへ出て来てそれが列になって、どんどんどんと皆同じ方角から来て皆同じ方角の方へ通りすぎる。それが見てゐるといつまでも尽きない。百人ももっと以上もあとへあとへと続く。一たい何処へ、何をしにあんなに通るのだらう。その赤と黄との衣裳が目にも頭にも痛い。もう通り止んでくれればいいと思ふのに、それでもあとへあとへとまだやまない」
以上は即ち、与謝野晶子の夢である。
高熱により床に臥せっていた際に、目蓋の裏に浮かび上がった情景を書き留めたるモノと云う。
こういう場合、極彩色というべきか、えげつないほどサイケデリックな発色が呈されることに関しては、我等も古人もさして変わりないらしい。
(フリーゲーム『うずまきねんび』より)
──私事を語らせてもらうなら。
ここ数日来、眠りの質があまり良くない。疲れが取れてる気がしない上、妙ちくりんな夢ばかり見る。文字に残して記憶化したくもないような、そういう忌々しい夢を。
秋花粉の所為であろうか、それとも或いは久々に
なんにせよ、繊細な出来であることだ。
(『ウツロマユ』より。1980年代、日本、田舎の古民家で、正体不明の化け物に追いかけ回される話。時間感覚を喪失するほどゲームにのめり込んだのは、六月の『エルデンリング』DLC以来であった)
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