穢銀杏狐月

書痴の廻廊

事は起すに易く、守るに難く、其終りを全くすること更に難し。努力あるのみ。一途に奮励努力せよ。

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2023-06-12から1日間の記事一覧

タイプライター全盛期 ―三越専務の見たシカゴ―

紀行文は好きなジャンルだ。 旅はいい(・・)。自分でゆくのは当然のこと、他人(ひと)の話を謹聴するも、また楽し。 最近読んだ部類では、昭和六年刊行の『商心遍路』がまず秀逸な出来だった。 著者の名前は小田久太郎。浮世の肩書き、三越専務。三井王国…