穢銀杏狐月

書痴の廻廊

事は起すに易く、守るに難く、其終りを全くすること更に難し。努力あるのみ。一途に奮励努力せよ。

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夢路紀行抄 ―夢中夢―

 

 なかなか珍しい体験をした。
 二重に夢を見たのである。


 最初はパソコンがウィルスにやられてクラッシュする夢だった。ディスプレイを占拠するのは懐かしのブルースクリーン

 

 

029-bsod Windows 2000

Wikipediaより、ブルースクリーン) 

 

 

 対処法を探るべく傍らのスマホを手に取るも、異常はこちらにまで及んでいた。
 手の平を串刺しにしているナイフだとか、瓶詰めにされた眼球だとか、とにかくその種の悪趣味且つグロテスクな画像が次から次へとひっきりなしに表示される状態に陥っており、強制終了させようとしても効がない。


 打つ手のなさに半ば放心していると、いきなり目が覚め、布団に仰臥し天井を見ている己の姿に気が付いた。


 ああよかった、夢だったのか――と安堵したのも束の間のこと。視界に何か、妙なものが映り込んでいる。


 染みだ。


 天井の一部が濡れて染みになっており、そこからぽたぽたと一定のリズムで水滴が落ち続けている。


 ――なんたることか、雨漏りとは。直すのにいったい幾らかかる?


 頭を抱えて、ふと視線を横にやると、柱にセミがとまっていた。
 かなり大きい。
 しかしながら羽も触覚も微動だにせず、したがって例の鳴き声も発しておらず、まるで柱にしがみついたまま死んでいるかのようだった。

 

 

f:id:Sanguine-vigore:20190721172149j:plain

 


 そこで二度目の目覚めを迎えた。
 しばらくしてから、そういえば今年はまだセミの鳴き声を聞いていないことに気が付いた。

 

 

ひぐらしのなく頃に 奉 通常版 - PS4
 

 

 

 


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