穢銀杏狐月

書痴の廻廊

事は起すに易く、守るに難く、其終りを全くすること更に難し。努力あるのみ。一途に奮励努力せよ。

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夢路紀行抄 ―三本立て―

 

 夢を見た。
 紫色の空の下、星のカービィシリーズに登場する無敵の砲台――正しくはシャッツォとか云う名前らしい――からの集中砲火を浴びせられる夢である。


 段差を利用したり、落とし穴に潜んだりしてなんとか命を繋いでいると、唐突に場面が切り替わる。気付けば私は白を基調とした浴室に在り、鏡の前でハサミを動かし、自分の髪を切っていた。


 最終的に、いい具合のスポーツ刈りになったと思う。


 ただ、右側頭部、耳から少し斜め上あたりの部分の髪が除草剤でも撒いたかの如く綺麗さっぱりなくなっているのには驚いた。その不毛地帯は歪んだ三角形を為しており、私は思わず冷や汗を流し、


 ――しまった、まずい、失敗した。なんたることか、これではとても外出できない。


 と、文字通り頭を抱えたものである。
 再度場面が転換したのはその時だ。私はいつの間にやら雪国に居て、ストーブを――マッチで点火する、白い円筒状のアレである――効かせた部屋の中から外の吹雪を眺めていた。


 すると目の前の網戸に、びたあん! と張り付いたものがある。


 胴体だけでも私の手のひらほどもある、なんとも巨大な蜘蛛だった。


 ガラス越しに節足が蠢くのを眺めていたが、こんな怪物が万が一にも部屋の中に侵入してくれば事である。殺虫剤を取りに行き、戻ってくると蜘蛛が蜘蛛でなくなっていた。


 そこにいたのは、黒っぽい毛皮に身を包んだ、福々しい狸の子供に他ならなかった。


 なんだ、さっきのは見間違えか、そりゃあそうだ、常識的に考えてあんな大きな蜘蛛なんぞが日本に棲息するわけがない――と安堵しながら窓を開け、狸を中に入れてやる。
 寝ていた猫が途端に跳び起き、この「新入り」に向かってシャーシャーと、威嚇の声を発したところで目が覚めた。

 

 

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 ただでさえ、熱で意識が朧になってる。
 見る夢が輪をかけて奇天烈になるのも当然だろう。

 

 

【指定第2類医薬品】バファリンA(80錠+10錠) 90錠

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