閉店の迫る東急百貨店・渋谷本店――。
昭和九年の開業以来、86年の長きに亘って渋谷の街を見下ろしてきた、その西館8階で、目下古本まつりが営まれている。
(Wikipediaより、2010年頃の東急東横店)
「さよなら東急東横店 渋谷大古本市」と銘打たれたこの催し事。
コロナウィルスが蔓延の兆しを見せている現状、人混みはなるたけ避けるべきであるのだろうが、それでもこればっかりはどうしようもない。ちょっと顔を出してきた。
甲斐あって、少なからぬ良書を発掘できた。中でも最大の収穫は、この『鮎川義介先生追想録』であったろう。
日産コンツェルン創業者・鮎川義介が世を去った、その翌年の昭和四十三年に編纂されたこの書物。岸信介や中曽根康弘、正力松太郎といった錚々たる顔ぶれが名を連ね、鮎川との思い出を語り、以って彼の死を悼んでいる。
書棚に並ぶ『百味箪笥 鮎川義介随筆集』が、あるいは引き寄せてくれたのか。この出逢いには運命を感じずにはいられない。目を通すのが今からとても楽しみだ。
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