穢銀杏狐月

書痴の廻廊

事は起すに易く、守るに難く、其終りを全くすること更に難し。努力あるのみ。一途に奮励努力せよ。

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2019-01-01から1ヶ月間の記事一覧

書見余録 ―魅力的な鈴木三重吉―

眼が大きい。それも光沢に富んだ眼だ。 鼻梁が一本すっきり通り、その整然さは定規で引いたさながらで、この顔を前にするとき、私は如何にも明治人を見る思いがする。 この顔の持ち主こそ、鈴木三重吉(すずきみえきち)に他ならない。 1882年誕生、1936年没…

夢路紀行抄 ―死してなお、ひとり―

賽の河原にひとりきり。 迎えの舟は影もなく。 石積む子供も、崩す鬼も居やしない。 地獄が経営破綻でも起こしたのかしらん? 問うても答える声はなく。 幽(かす)かなる、三途の川のせせらぎのみぞ響きける。 ――そんな具合の、夢を見た。 ここまでお読みい…

夢路紀行抄 ―遺物回収―

夢を見た。 小学校四年生位の頃に使用していた机を漁り、中から数冊のノートを回収するという夢だ。 ノートの中身は、夢の中でこそはっきり理解していたが、今となっては思い出せない。俗に云う黒歴史系統だったのは確かなのだが。 机からはMDプレーヤーも回…

言語の壁の内側で

極論すれば、私にとって英語とは、常に言語では有り得なかった。それは暗号に他ならなかった。英語によって意思を通わせられたことなど、産まれてこの方一度もないと断言できる。 いや、人間、どうにもならない苦手というのはあるものだ。どれほど必死に足掻…

題名について ―よごれぎんなんきつねつき―

以前、夢を見た。 何故あともう一時間、眠り続けておらなんだかと心底目覚めが口惜しくなる、そんな甘美な夢である。 都会に移り住んだ私は、ある日にわかに体の調子を崩すのだ。高熱を発し、ための悪寒は血管に氷水でも注ぎ込まれたさながらで、筋組織は我…

序文 ―信じるという行為には、多少の愚かさが不可欠である―

些事が重なって完璧を作る。しかし、完璧は決して些事ではない。 ――ミケランジェロ 何のことはない、「塵も積もれば山となる」とほとんど同じ内容だ。同一の事柄を表現を変えて言ったに過ぎない。 しかし私のような単純な頭脳の持ち主にとって、ミケランジェ…

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