穢銀杏狐月

書痴の廻廊

事は起すに易く、守るに難く、其終りを全くすること更に難し。努力あるのみ。一途に奮励努力せよ。

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夢路紀行抄 ―浮気者―

 

 夢を見た。
 父親が死ぬ夢である。
 風邪をこじらせぽっくり逝ってしまったと電話口で知らされて、慌てて帰省してみれば、なんたることか私を出迎えてくれたのは、馴染み深いキジトラ柄の愛猫ではなく、すわ狼かと見紛わんばかりの精悍な顔つきをした柴犬だった。

 

 

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 驚いて母に訊ねると、なんでも父が亡くなる前に畑仕事の帰りに拾ってそのまま飼うことにしたのだと。
 一通りのことは仕込まれていると聞き、試しに掌を差し出すと、果たせるかなぽんと「お手」をしてくれた。


 するとこいつが親父の忘れ形見になるわけか、と肉球の感触を楽しみつつ思ったところで目が覚めた。


 まあ、誰かが死ぬ夢を見ると逆にそいつは長生きすると俗に云うし、きっと吉夢の類だろう。……愛猫には、浮気者と叱られそうだが。

 

 

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