穢銀杏狐月

書痴の廻廊

事は起すに易く、守るに難く、其終りを全くすること更に難し。努力あるのみ。一途に奮励努力せよ。

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諧謔世界笑話私的撰集 ―酒―

 

大酒


「何故貴様は大酒を飲むのだ」
「酒の中へ苦労の種を沈めて殺さうと思ひまして」
「ふう、何か、それで殺しおおせたか」
「ところが彼奴らは泳ぎを知って居るか、浮いて廻って沈みませぬ」

 

 

 


 紳士「お前の親爺は何故働かないで乞食なんぞして歩行あるくのだ」
 子供「父様が乞食をして廻るのは、ウイスキーを買って飲みたいからよ」
 紳士「何故またウイスキーを飲むのだ」
 子供「ウイスキーを飲むと、その勢で乞食をして廻られるからよ」

 

 

 

変った選び方


「ビールとシャンペンでは君は何方どちらを選びますか」
「それは事に依ります」
「事とは何です」
「代を払ふ人」

 

 

 

永日


 医者(病人を見舞ひ)「飲み過ぎ食べ過ぎをしてはいけません。あの後私の言った通りお慎みなさいましたか」
 病人「厳しいおことばでしたから思切って減食しました。酒は一滴もやりません」
 医者「それは結構です。さう云ふ風になさると、きっと寿命が延びます」
 病人「なる程さうかも知れません。この三四日の怠屈で日の永い事と申したら」

 

 

 

眼病


 眼医者(病人を診て)「酒を飲んではいけません。酒を止めるか、それとも盲目になるか、二つに一つです」
 病人(あたまに手を当てて暫く考へ)「私は当年取って七十二歳です。見ていい程の物は是までに大概見尽した様に存じます」

 

 

 

聖書に曰く


 俗人と僧が二人連れで汽車旅行をしてゐると、一日あるひ俗人がウイスキーの瓶を出して渇いた咽喉を湿うるはさうとした。
 僧(吃驚びっくりして)「貴君、酒類は人間の最も兇悪なる敵として有るのを御承知でせう」
 俗人(莞爾として)「たしかに承知して居ります」
 僧「それでは何故酒をお飲みなさる」
 俗人「聖書に汝の敵を愛せよとありますから」

 

 

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