正直に告白すると、「セキロ」と聞いていの一番に私の脳裏に奔るのは、「赤露」の二文字に他ならなかった。
赤露――赤色ロシア、すなわちソヴィエト連邦の古い呼び名だ。理由はわかりきっている。このような本を読み漁った影響だろう。
この固定観念をこなごなに打ち砕いてくれるほどの衝撃を本作に望む。「セキロ」と聞けば隻腕の狼が真っ先に浮かんでくるように、脳の回路を組み替えてくれ。そう願ってやまないのだ。
白銀の雪上
駈けらんとする狼よ
われらしはしは
狼ならんとすることあり
駈けらんとする狼よ
われら
狼ならんとすることあり
――生田春月――
いざ、参る。
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