穢銀杏狐月

書痴の廻廊

事は起すに易く、守るに難く、其終りを全くすること更に難し。努力あるのみ。一途に奮励努力せよ。

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2021-09-28から1日間の記事一覧

彼岸の友よ ―老雄綺想―

大町桂月は酒を愛した。 酒こそ士魂を練り上げる唯一無二の霊薬であり、日本男児の必需品と確信して譲らなかった。 何処へ行くにも、彼は酒を携帯していた。その持ち運び方が一風変わって、通人らしくまた粋で、竹のステッキの節をくり抜き、スペースを確保…