穢銀杏狐月

書痴の廻廊

事は起すに易く、守るに難く、其終りを全くすること更に難し。努力あるのみ。一途に奮励努力せよ。

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世界を巻き込む大嵐


「暗黒の木曜日」から、ざっと三年。


「永遠の繁栄」の面影は、合衆国に既に無い。


 好景気が好景気を呼び、成長は次の成長へ、どんどんどんどん連鎖する。自由を重んじ、民主主義に則る限り、神の恩寵は常に我らの頭上へと。──大統領以下、圧倒的大多数のアメリカ人らが信奉していた夢物語は、どうしようもなく壊れてしまった。

 

 

(『DEATH STRANDING』より)

 


 かつて年間五百万台の販売ありし自動車は、今やすっかり閑古鳥、百万台からせいぜい百五十万台の挟間を彷徨うみじめさへと落ちぶれた。


 それに比例するかの如く、鉄鋼消費量もまた、ほぼ四分の一以下へ。石炭需要も随分減った。毎年五億トンからを焚いて熱にしていたものが、二億トンまで急降下。文字通り火の消えた寂しさである。


 これだけでもう、いったいどれだけの工場が稼働停止に追い込まれたか、あまりに容易に想像できて恐ろしくってたまらない。失業者数が一千万人を超えたというのも、むべなるかなであったろう。途方もない経済の縮小だった。

 


「無駄には二種類ある。──一は物資を濫用する道楽者がする事であり、他は物資を使はずに朽させて了ふ不精者のする事である。両者とも無駄をする事に於ては同じである。吝嗇漢は道楽者と同じやくざ者である。双方共その悪癖を矯正するには、まづ正しく『使ふ』ことを知らなければならぬ

 


 と、在りし日に得々と説いていたヘンリー・フォードといえども流石に、前古未曾有の不景気風の吹き荒れまくるこの状況では顔色を失くしていただろう。


 世界恐慌の大嵐の只中にては、何人たりとも平静でなどいられるものか。まったく仕方のないことだ。…

 

 

 


 前回の記事の影響で、筆者わたしの頭は些か数字に毒されている。


 日本のデータ、数量を、あれこれ引用した手前、アメリカのそれ・・も無性に引っ張り出したくなった。


 メモるだけメモって長いこと放置していたあれこれ・・・・を──。


 ちょっとした虫干し、あるいは供養みたいなものだ。

 

 お付き合いいただき感謝する。

 

 

 

 

 


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