雅号を非仏。
本名、凡夫。
彼はとにかく、徹底した男であった。

実るほど頭を垂れるなんとやら。増上慢の悪徳にうっかり陥らないように、恭謙であれ、恭謙であれと絶えず己へ言い聞かす。緊縛趣味の偏執狂さながらに、我と我が身を律することに異様な熱意を注ぐ者、その目的の為ならば親からもらった「逸之助」の名を改めるのも厭わない。
陸軍少将・伊豆凡夫とは、ことほど左様に徹底せねば已まぬ男であったのだ。
日露戦争時代には陣中で屡々和歌を詠み、その縁からか、「聖将」乃木の覚えもめでたかったとか。

先日、思うところあり、鎌倉附近を散歩した。

稲村ヶ崎にぶちあたり白く砕ける波濤を眺め、

極楽寺にて新緑の生む酸素を吸った。

その際、撮影した写真。結構な数になっている。これらを展示するついで、間に文章を挟むなら、相応しいのは

地名としての伊豆ならば、ちょうど相模湾を間に挟んだ向こう側だし、それに

あるいは研究の気晴らしに、このあたりの海岸線へ繰り出して潮風を浴びた

であれば彼もやはりまた、この地に所縁ある者だ。
此度の
たぶん。
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