政治事情がすべてに優先されるのが、アカい国家の特徴だ。

政府の、党の、下手すりゃいっそ一個人の面子を守るためだけに、ソロバンだって平気の平左で投げ捨てる。経済的意義ですら、政治的意義を追い越すことは許容されていないのだ。強引な突破を図れば最期、待っているのは血の粛清のみである。
「ソ連との政治関係がよくなった場合、或はソ連がことさら他を牽制するために利用せんと目した国々との貿易は増加する。そしてかゝる際にはソ連はかなりの無理をしても──たとへば近くの国で買へるものをわざわざ遠方の国まで運賃などお構ひなしで買ふ──買ったり、或は必要とあらば国内の生産需要を無視しても外国に持ち出すといふ便宜さへ示すのである。
が、これと反対に、一度び関係が悪化すると忽ち貿易関係まで断ってしまふ。現在における日ソ間など露骨な例であるが、従来とて随時、そんなことは平気でやってのけてゐる」
上の如きは馬場秀夫なる政治家が、その前身たるジャーナリスト時代に於いて書き残した記事である。これとそっくりな情景を、我々は今日の支那に見る。
一世紀を経ようとも、アカの遣り口は変わらない。
それだけ効果的という、証明でもまたあるのだろうが。

「ヒトラー政権出現前のドイツとは最も親善な関係にあったが、当時は、総てがドイツ、ドイツで言葉にしてもドイツ語を話すものを同志とし、うっかりフランス語でもしゃべると帝政時代のインテリ、敵国フランスのスパイ視され、学校はドイツ語を正科にして他を閉鎖するといふ露骨さであった。それがドイツがナチスの世となるとドイツ語を敵視し、今度はこれがフランス語と代り、或は米国と接近するに及んで英語と代るといふ位に凡て命令一下百八十度の転換をしてしまった」
「もともと総てが仕組まれた上でのこと故、何が起らうと驚くには及ばない。徒に周章振りをみせることはソ連の手に乗ることであり、彼をして益々増長させるものといふ外ない」
東京日日新聞でモスクワ特派員、ロシア課長等のポストを渡り歩いた、そういう男の忠告だ。
耳を傾けて損はない。

註文をつけずに、ためらうことなく、無条件にソ連を守ろうとするもののみが国際主義者である。
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