
国共合作の美名に隠れ、彼らが如何に陰険かつ悪辣なる謀略を張り巡らせていたものか。「他日の雄飛」を目論んで、己が天下取りのため、あらゆる準備工作におさおさ怠りなかったか。日本側にも、掴んでいた者はいた。
「共産党の第一目的とするところは、戦争の長期継続であり、遊撃戦展開による自己の勢力の実質的拡大であり、将来のイデオロギー的活躍の地盤を獲得することである」
これは昭和十四年度の三月に、大阪毎日新聞社に籍を置く田中香苗がやってのけた分析だ。
日中戦争の真っ只中に在りながら、途轍もなく正確に相手方の内情をとらえたものといっていい。

(千人針を縫う婦人)
「共産党の赤狐は、事変下の挙国交戦論を利用し、長期戦争への道に働き、これを反省する分子を蒋の手足からもぎとることを
あまりに精緻であり過ぎて、天眼通の力でも持っていたんじゃないのかと、愚かな錯覚さえ兆す。そういうレベルの透見である。蓋し驚愕に値する。
田中がここで暴露した共産党の計略が、その後いちいち的を射て、残らず達成されたのは、歴史に徴して明かだ。
自己の野心の実現に、彼らは日中戦争をみごと利用し尽くした。しゃぶり尽くした、と表現したくなるほどに、その遣り口は徹底していた。日本人も、そしておそらく蒋介石も、アカの狙いを察しつつ、ついに防ぐを得なかった。
「わかっていたのにどうしようもなかった」は、「ぜんぜん予想もつかなんだ」より更に輪をかけて悪質である。より深刻に、痛烈に、
「勝者」は彼らだ。それは認めるより他にない確実なこと。
「一九二四年以来の長い経験と、コミンテルンの指導方針と、世界情勢を考慮しつゝ、支那人特有の気長さをもって、共産党の深慮遠謀は熟柿主義による赤色革命の地層を作りつゝあるのである。老獪さを加へた毛沢東等の共産党指導部は我慢強く出処進退しつゝ、その将来への勢力増大を図ってゐる」
駆り立てるのは野心と欲望、横たわるのは犬と豚。
どれだけ歯噛みしても足らぬ、忸怩極まることである。
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