穢銀杏狐月

書痴の廻廊

事は起すに易く、守るに難く、其終りを全くすること更に難し。努力あるのみ。一途に奮励努力せよ。

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相模湖遊歩


 だいたい本屋か水辺かだ。


 このごろしばらく筆者わたしが遊行する土地は、その二種類に分けられる。


 つい先日は、後者であった。


 ふと、発作的に相模湖を訪ねたくなって、電車を乗り継ぎ、行って来たという次第。

 

 

 


 陽を翳らせる雲はなく、しかし冷たい風が吹き、ほんの屏風の一枚裏手に冬が控えているような、そんなある日のことだった。


 道中にて、山梨信用金庫と遭遇。

 

 

 


 県境が近い故であろうか。


 思いもかけず、故郷を偲ぶきっかけに。

 

 

 


 更に坂をいくつか下りて、

 

 

 


 湖面が視界に映りだす。

 

 

 


 相模湖公園入口だ。


 駅から歩いて五分強。


 交通の便は、まず良好といっていい。

 

 

 


 人気のないのをいいことに、園内をとっくり練り歩く。

 

 

 


 やがていいものが見えてきた。

 

 

 


 日焼けして、色彩いろのごっそり脱け落ちた看板こそ嬉しけれ。いやさまったく、得も言われない趣致がある。

 

 

 

 


 レトロな筐体ばかりを集めたゲームセンター。本音を言うと、ここが目当ての七割だ。

 

 

 

 


 遠ざかりし少年時代、昭和・平成の残響に身を委ねたいの欲求が、我と我が身をこの山峡やまあいまで引っ張った。

 

 

 


『ウツロマユ』にこんなのが登場していたような気が。飛騨高山レトロミュージアムで目の当たりにしたような、古いパチンコ台もある。実際問題、ここの興味はもはや博物館のそれ・・に等しい。

 

 

 

 

 

 

 実家の倉庫で嗅ぎなれた匂いが鼻をつく。


 土埃まみれのコンクリートの床面が醸し出したるモノであろうか。気分は決して悪くない。

 

 

 


 どこもかしこもシャッターが降りまくっている。


 ただ単純に午前中、早い時間に訪ねたからというばかりではないだろう。

 

 

 


 ちょっとばかし脚を延ばして、ダムを眺めに行ってみる。

 

 

 


 相模ダムは戦後まもなく、昭和二十二年に完成を見た、日本で最初の多目的ダム。歴史あるだけ色々劣化も目立つのか、筆者が向かった際にはなにやら工事のど真ん中、ゲートは閉じられ、隅から隅まで堪能するとは残念ながらいかなんだ。

 

 

 


 それでも満足度は高い。

 

 

 

 


 山紫水明、美事なり。

 

 

 


 やっぱり秋は散策するのに良い時期だ。天にも地にも、そこはかとない儚さが満遍なく行き渡り、しみじみとした感傷が自然じねんと胸に湧く。

 

 

 


 再び駅舎へ至るまで、ついに頭上は晴朗だった。

 

 

 

 

 


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