穢銀杏狐月

書痴の廻廊

事は起すに易く、守るに難く、其終りを全くすること更に難し。努力あるのみ。一途に奮励努力せよ。

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鳩一楽土


 優生学の心酔者にして熱烈な産児制限論者。


「ハトイチ」こと鳩山一郎なる人物を把握するに際しては、見逃し得ないファクターである。


「貧乏人の子だくさん」は不幸の元ゆえ、抑止せよ。結核病やらい・・病患者の人権は、ある程度無視して構うまい。健康人の社会から、なるたけ隔離し遠ざけて、もう物理的に子を作らせないようにする。

 

 

東京市、貧民窟の子供たち)

 


 不良・不幸な遺伝子を、これから先の世代へと、みすみす残すべきでない。だから上記以外にも、ある種悪辣な犯罪者に対しては去勢手術を強制的に執行するべきだろう。


 堕胎罪の軽減も、もちろん狙って行かねばならぬ。かてて加えて避妊法の知識の普及、こちらもやはり欠かせない。


 実にこれこそ、これらこそ、日本民族の質を高めて幸福を増し天堂へと近づける、あらまほしき政策である──。


 こんな主張を正気も正気、公々然と行って憚らない者だった。


 捏造ではない。


 過度の脚色もしていない。「素材の味」をなるたけ壊さないように、気を配りつつ書いている。

 

 

 


 それでも一応、念のため、鳩山一郎自身の言葉をそっくり以下に引いておく。

 


「入学難も失業問題も、その根本は人口過剰から来てゐるといっていゝ、たくさんの子供を抱へてゐるためにろくろく教育もさせ得ず食ふことに苦しんでゐるのは親子とも不幸なものだ、まづ差当たって天刑病結核病の如き人々については何んとか考へ施設してもよくはないかと僕は真面目に考へ、実行に骨折ってゐるのだ、早晩実現を見るべきことだと思ふが法律的に改正の必要あるものは堕胎罪の減刑、特殊犯罪人の去勢、遺伝病者の妻に手術等の方法だと思ふ、その他のものは制限の知識を普及し、三人以上子供があって困る様なものは町、村、区で極めて安く手術をさせ国家はこれに対し病院を立てるとかすればよいと思ふ」

 


 昭和の劈頭、田中義一内閣のもと、内閣書記官長として活躍していた時分に於ける発言だ。

 

 

Mr. Ichiro Hatoyama

Wikipediaより、鳩山一郎

 


 いやさ、もう、凄まじいの一言である。いずれのくだりをひろってみても、友愛精神ぎっちり詰まってクラクラ来そうな文だった。


 これが「ルーピー鳩山由紀夫の爺さんの、在りし日の姿というわけだ。納得以外のなにものをも抱けない。この・・祖父にしてあの・・孫あり。血の繋がりの根強さに、ただただ寒心させられる。

 

 

 

 

 

 

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