水に惹かれる。
水に慕い寄ってゆく。
(どうも、おれには)
そういう
ここから歩いて五分ちょい、お鷹の道・真姿の池湧水群を眺めに行くのが目的だ。
「我々は昔から人数に拘はらず、必ず一団の邑落には一筋の水の流れを必要としてゐた。何時の世にも天性の欲求から、水の畔にばかり都邑をなさうといて居ったのである。その上に、別に泉といふものは神を祭るためにも、酒を醸すためにも絶対に必要であった」。──柳田国男の説である。
彼の著作を紐解くと、己はつくづく日本人だと自覚する。
その「天性の欲求」が、私の中で叫ぶのだ。
流れが観たいと。
美しい川のほとりに佇んで、時間を忘れ去りたいと。
そんな具合いの欲求に、脳細胞を蝕まれることがある。

(柳田国男)
先日も
そうした次第でここへ来た。
まったく余儀なき事由だった。

案内板に従って、武蔵国分寺公園の敷地内を南下する。

紫陽花がみごとに色づいていた。

やがて坂へと行き着いた。このあたりからせせらぎが徐々に鼓膜を揺らしだす。

下りきったら、

そこがお鷹の道である。
写真ではどうも分かり辛いが、奥の石垣下あたりから不断に水が湧いている。

そのすぐ横手に真姿の池。

底までパッチリ透き通る、期待に違わぬ清澄さ。
更によくよく見てみると、

苔むした巌の上の水禽よ。
羽ばたきもせず、置物然と不動なり。
そのまま日本画の題材にでも出来そうな、これはたまらぬ景色であった。



一通り散策した後は、せっかくここまで来たついで、近場の風呂に浸かってゆくことにする。

『国立温泉 湯楽の里』。
多摩川べりの天然温泉。
とどのつまりは地熱と地下水の恵沢である。

堪能させていただいた。
心身ともに一新したが如き爽やかさであった。
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