犬なら平均三十八日、
豚では平均三十四日、
猪ならば二十日間、
兎十五日、
モルモット八日、
たった三日の白ネズミ。
──以上の数値はその動物が断食を強制されたとき、すなわち水だけで何日生存可能かを取りまとめたるモノである。

(モルモット)
高比良英雄医学博士の談に基く。
昭和五年に大著『断食研究』を世に著したる人物だ。
他に鳥類のデータもあって、例えば鳩で十一日間、鶏ならば十四日、鷲ともなると三十五日は保つと云う。
「総じて身体の小さい者は大きな者に比し期間短く、草食獣は肉食獣に比して短い様である」とは、当人の弁。興味深い限りだが、果たしてこいつは、この一連の調査結果は、現代社会で検証可能なのか、どうか。
「平均」と称している以上、一件や二件でないだろう。例証は数多要ったはず。上の数値を割り出すまでに、どれほど多くの凄惨極まる情景が展開されたか想像するとゾッとする。
飢餓の苦しみは酷烈だ。ひと思いに楽にはなれぬ。じわじわと長い時間を費やして、いたぶり尽され漸く死ねる。
そんな代物を大量生産しようとすれば九分九厘、愛護団体が沈黙しては居らぬであろう。
存在意義に懸けてでも、彼らは激昂するはずだ。
(Wikipediaより、動物の倫理的扱いを求める人々の会)
声のみの抗議にとどまらず、極めて直接的な手段で実験体を
畢竟かかる実験が許容可能であったのは二十世紀前半までの沙汰であり。──如上の記録も敢えて検証などせずに、そっと措いておく方が社会としては健全なのではなかろうか。
「エジプトのピラミッドから出た
高比良博士のこの見識が一種誘導体となり、
「人間の若いのは生魚のやうなもンで、暑さには却って痛み易いが老人は干物のやうだからむしろ長持のする筈だ」
村上浪六のこの暴言が咄嗟に思い起こされて、

今年もいよいよ、暑い季節が
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