論外。
無理だ。
支払えぬ。
正気の沙汰とは思えない、冗談も休み休み言え──。
天文学的賠償金の請求を連合国から突き付けられた当時のドイツ国民は、ほとんど悩乱の態でわめいた。
孫子の代まで借金漬けにする気かと。
人の心はないのかと。
こんなことなら降伏などせず、最後の一人に至るまで討ち死にすればよかったと。
一九一八年の選択を、歯噛みして後悔したものだ。
(Wikipediaより、ドイツからフランスへ送られる物納賠償)
政府は民意を
それに対して、ロイド・ジョージの放った言葉が凄まじい。
「ドイツ国民は連合国の要求を以て堪へ難き圧迫であり且つ大国ドイツを破壊しドイツ国民を奴隷となさんと称し居るが、連合国は欧州文明の為めの自由安寧且つ繁栄なるドイツの存在を必要とし、奴隷的ドイツの存在を以て欧州文明の脅威且つ負担なりと見做して居るのである。ドイツ国民は一九一四年以降にドイツ帝国政府の行動が連合諸国を如何なる程度まで荒廃せしめたかを知らぬ、ドイツ国民が之れを自覚したならば必ず其態度は大に変化すべきである」
DV彼氏か何かか、こいつ。
尻の毛どころか臓器まで。引っこ抜ける代物はあらいざらい引っこ抜き、
焼け火箸を押し当てながら、お前を心底愛していると謳うに等しいこの所業。
いやはや流石、パンを求めて立ち上がったインド人へと報いるに、石を投げつけ与えてやった紳士様の国である。
イギリスに於いて既に然り、いわんやフランスに於いてをや。
復讐心で勝ること、ユニオン・ジャックに数百倍する彼の国は、アリスティード・ブリアン首相の口を通してこんなことを言っている。
「フランスは最早戦乱荒廃地復興の費用を負担する事は出来ない、此の費用はドイツの支払ふべきものである。フランスはドイツの急速な復活を妨碍した事はないが、戦勝国が荒廃してゐるのに反して侵略国が繁栄になるのは仏国の忍び難い処である」
世論の監視の只中で、
一国の代表たるものが、
こうまで露骨に嫉妬心を剥き出しにする。
なんたる時代であったろう。そりゃあ重徳来助が、
──独仏融和? 寝言は寝て言え。両国の大人連中が一人残らず生まれ変わって来ない限りは有り得んよ。
と、せせら笑って一蹴したのも納得である。

十数年後、ナチ党、総統、ヒトラーに、ドイツ人らが何故魂を捧げんばかりに随喜しひれ伏し熱狂したか。
おのずと察せる眺めであった。
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