人間、一生涯に一度ぐらいは自分の故郷を旅人の眼で観るべきだ。
いつも通る道沿いの、風景に過ぎなかったホテルに泊まり、ガイドブックでも片手にしつつじっくり歩いてみるがいい。
きっと新しい発見がある。そう嘯いたやつがいた。
正月、初詣を済ませるなり雲隠れして、近所のホテルの一室に引き籠るのを癖としていた人物である。
つまりは小泉信三だ。なんともはや彼らしい、ある種独特の提案だろう。
それと似たようなことをした。ひところ前のお彼岸に、ちょっと山梨に
淵の碧さは背筋に寒気が走るばかりだ。
「水のないところに人間の居住はできないが、清水のないところには神社もない。否な神社は玲瓏透徹、御手洗川となり得る清流のある地に創設されるものである。
湧泉は人に飲用水を与へ、また灌漑の用をなすもので実に人世に必需の天然物である」
石橋五郎の唱えた説だ。
京都帝大名誉教授、日本地理学の第一人者。
忍野の景色は彼の言葉の正当性を、非常に強く裏付ける。
みたまの湯に汗を流しに行きもした。
丘の上、ニンジン畑に囲まれて建つこの風呂は、温泉総選挙絶景部門で三年連続日本一をもぎ取る快挙を達成してのけたとか。
実際問題、眺めはいい、すごくいい。
玄関口には妙なポーズの大垣千明が。
『ゆるキャン△』の浸透ぶりも、今度の帰省で私の中に大きな印象を残してくれたものである。
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