あれは結構好きだった。
ホワイトスネイクがスポーツ・マックスに説いて聴かせていた話。
地球上でどれほどの死と、どれほどの生が循環しようと、「魂」の総量は常に一定、増えてもなければ減ってもいない。
永遠の均整を保ち続けているのだと、そんな趣意の世界解釈。
礼拝堂で、十字架のもと。ともすれば冒涜的と映りかねない法談を。あのシーンがあるだけで、第六部は名作なのだ。
つまり この地球で人間の人口が増えれば増えるほどその分だけ他の生物が絶滅してると考えてさしつかえなく………
魂全体の数は影響なく一定ということらしい……
だがその「魂」を
その人間は
その人間の先にはどんな事が起こる?
『ストーンオーシャン』はリアルタイムで、『ジャンプ』の誌面で追っていた。
当時私は十代前半。輪廻転生の概念は、手塚治虫の『火の鳥』により履修済み。それだからこそ、この場面にて広げられた風呂敷の、途轍もなさを直覚できた。
やがて完成するプッチ神父の「能力」は、その直覚を裏切らない、途轍もないにも程があるような代物だったが――まあ、それはいい。
あの衝撃から二十
最近になって私は再び、思いもかけぬ人物が、やはり魂の不滅一定を説いているのを発見し、思わず呼吸を忘れるほどに驚いた。
その人物とは、すなわちトーマス・アルバ・エジソン――。
白熱電球の生みの親、誰もが知る「発明王」。彼本人に相違ない。
(トーマス・アルバ・エジソン)
「予は生命も物質と等しく不滅であることを信じて居る。此の世界には一定量の生命が存在して居るが、其の量は今後とも不変であらう。吾々は生命を創造し得ない、破壊し得ない、又増加し得ない」
「吾々は物質の形状及び結合を変更することは出来るが、例へば金、銀、酸素、水素等の物質其のものゝ容量は開闢以来不変だと等しく、生命の実体も亦古くから形状は千変万化であっても、要するに同一実体が繰返し出現して居るのである」
サイエンティフィック・アメリカン誌のインタビュアーを相手どり、エジソンが語ったものである。
日本語訳は赤澤義人。大正九年の夏以降、『報知新聞』のコラム欄に筆をふるっていた男。
(Wikipediaより、サイエンティフィック・アメリカン)
昨今、ニコラ・テスラの再評価が進むと共に、反比例してエジソンの株が落ち込み気味なきらいがあるが、なかなかどうして。やはり尋常な知性ではない。
東洋的――仏教の奥にも通じるような香り高い哲学を、経典とはいちばん縁遠そうな科学者の身で、よくぞまあ。
大したものだと、素直に敬意を表したい。
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