穢銀杏狐月

穢銀杏狐月

事は起すに易く、守るに難く、其終りを全くすること更に難し。努力あるのみ。一途に奮励努力せよ。

夢路紀行抄 ―暁美ほむら 対 銀の人―

 

 夢を見た。
 地球を守護まもる夢である。


魔法少女まどか☆マギカの主要人物・暁美ほむらがその能力で時間遡行を繰り返すうち、どういう理屈か地球防衛軍5』世界線へと迷い込み、わけもわからぬまま巨大生物やエイリアンどもと殺し合う――話の筋はこんな具合だ。


 一見突拍子もない話だが、しかしよくよく考えてみると、どちらにも地球外生命体が登場し、おまけに人類に叡智を授けたのは他でもないその異邦人であるという点、両作品の親和性は存外高いのかもしれない。

 

 

Mahō Shōjo Madoka Magika (Logo)

Wikipediaより、「まどマギ」ロゴ) 

 


 魔法少女の身体能力に物を言わせ、ウイングダイバーばりの機動で戦場を疾駆しながら、しかしライサンダーやホーネットという陸戦兵用の火器をぶっ放して廻る暁美ほむらの活躍ぶりは、実に凛々しく息をのむほど美しかった。


 やがて戦局は最終盤、エイリアンたちの総指揮官たる「銀の人」との闘争に至る。


 かの者がコマンドシップの爆炎から姿を現したとき、『まどマギ』側の異星存在に当たるキュウべえが、


「やれやれ、まさか始源十二太祖の一人が来ていたなんてね」


 訳知り顔で、途轍もなく中二チックなセリフをのたまったのがいやに鮮やかに記憶に残った。

 

 

f:id:Sanguine-vigore:20200228170756j:plain

 


 闘いは一方的なものだった。


 なにしろかの者――「銀の人」には時の停止が通用しない。


 凍りついた時間の中を意にも介さず乱れ飛び、視界総てが光弾で埋め尽くされるほどの圧倒的波状攻撃を展開してくるかの者に、暁美ほむらは大苦戦を強いられる。流石は地球人類の九割方を殺し尽くした勢力の首魁、そう易々と斃せる相手では断じてないのだ。


 一瞬の隙をまんまと衝かれ、ついに片腕を消し飛ばされる暁美ほむら。このまま逆転の糸口すら掴めずに、むざむざ死骸を晒すのか――絶望が最高潮に達した瞬間、なんたることか、甲高い電子音が鳴り響き、夢はいっぺんに破れてしまった。


 携帯電話のアラームを、これほど怨めしく思ったことは嘗てない。


 今夜の眠りで、完結が見届けられればよいのだが。これまでの経験上、あまり期待は持てなさそうだ。

 

 

 

 

 


ここまでお読みいただき、誠にありがとうございます。
この記事がお気に召しましたなら、どうか応援クリックを。
 ↓ ↓ ↓

にほんブログ村 本ブログ 古本・古書へ