穢銀杏狐月

書痴の廻廊

事は起すに易く、守るに難く、其終りを全くすること更に難し。努力あるのみ。一途に奮励努力せよ。

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『日本魂による論語解釈』和歌撰集 ―巧言令色・吾日三省―

 

【吾日三省吾身】


 詳しくは曾子曰、吾日三省吾身、 為人謀而忠乎、 与朋友交言而不信乎、 伝不習乎」
 孔子の高弟曾子という人物が居た。

 

 

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曾子

 

 

 彼は日に三度、欠かさず我が身を振り返ったという。即ち、


一、人の為に真剣に物事を考えてあげられただろうか。
二、朋友に対して誠意をもって付き合えたろうか。
三、なまっかじりの知識を弟子に教えなかったろうか。

 

 の三点についてだ。


 書店三省堂の名の由来にもなった、かなり有名な一節である。
 それゆえか、『日本魂による論語解釈』で紐付けされている歌群も、高名な人の作品が多い。

 

 

日に三度 身をかへりみて いにしへの
人の心に ならひてしがな
昭憲皇太后

日に三度 おろかなる身を 省みて
仕ふる道も ただ君のため
宗良親王

暁の ねざめにせめて 省みよ
日に日に三度 かへりみずとも
徳川治貞

朝な夕な 三度己を 省みて
身のたしなみを おこたるな人
(荒谷翠嶺)

 

 

Empress Consort Haruko

Wikipediaより、 昭憲皇太后、1872年撮影)

 

 

【巧言令色矣鮮仁】

 
 こうげんれいしょくすくないかなじん。
 口先ばかり巧くして顔面いっぱいに愛想を浮かべ、やたらと媚びへつらって来るような輩は、その実「仁」から最も遠いところにいるものだ。


「仁」についての詳述は、後に譲ってここでは触れないことにする。

 

 

人をよく 言ふは利益の 手前なり
(柳樽)

あの聲で とかげ食ふか 時鳥ほととぎす
(其角)

世の中は 狸狐の ばけ比べ
(川柳)

世の中は 一重の皮に 迷ふなり
ひんめくり見よ 美女も醜女も
(詠み人知らず)

素麺冷食、涼しいかな縁
(詠み人知らず)


 なんのことはない、駄洒落である。
 孔子様のありがたいお言葉も茶にしてのける江戸っ子の意気、決して不快なものではない。

 

 

渋沢栄一「論語」の読み方

渋沢栄一「論語」の読み方

 

 

 

 


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