穢銀杏狐月

書痴の廻廊

事は起すに易く、守るに難く、其終りを全くすること更に難し。努力あるのみ。一途に奮励努力せよ。

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夢路紀行抄 ―荒野を走るセルロイド―

 

 夢を見た。
 息せききって、疾走はしり続ける夢である。


 昨夜の私の夢の舞台は、さながら『フォールアウト』シリーズにでも登場しそうな寂莫たる一面の荒野。道路らしい道路もなく、烈日に照らされ、ひび割ればかりが目に付く大地。そんな場所で、私は何故かセルロイド製のマネキン集団に追いかけられて、必死の思いで逃げていた。

 

 

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 どういう意図で設計されたか知らないが、このマネキンども、胴が普通人の倍は長い。


 むろん、横にではなく縦に、である。


 それと引き換えにしたとでも言うかのように、手足の方は異様に短く、名状し難いアンバランスさに生理的嫌悪感がこみ上げるのをどうしようもない。


 おまけにそんな脚部であるにも拘らず、連中の移動速度ときたらどうであろう。ほとんど手足を動かしているように見えないくせに、野犬もかくやとばかりに早いのである。


 控え目に言っても怪物であろう。一匹だけでも耐え難い、そんなモノが、こともあろうに群れを成してこちらに迫り来ているのである。


 捕まれば、いったい何をされるやら――考えるだにおぞましい。


 振り向きざまにコンバット・ショットガンをぶっ放してみもしたが――何故そんな物騒な銃器を持っていたかと訊かれても困る。強いて言えば、フォールアウト3で散々愛用したからだろう。スーパーミュータントの頭部をスイカみたいに吹っ飛ばすのが快感だった――、大してこたえた気配もない。めり込んだ散弾がぱらぱらと足下にこぼれる光景を目の当たりにした瞬間、私の恐怖は絶頂に達した。

 

 


 風邪の際にはこのような、奇天烈な悪夢を見ることが多い。


 ここのところ、どうにも喉の奥に違和感がある。


 あるいはそれが元凶だろうか。せいぜい自愛することにしよう。

 

 

【PS4】アウター・ワールド

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