「此頃英国から御帰朝でしたか。
「はい。ええ、ですがたった一度きりです。それもほんの少々ばかりの罰金で済みました」
新聞記者少し遅れて法廷に来た処、自分の席が塞がって居たので、弱りきってそこいらを見廻したが、たうたう大きな声で
「ああ、誰か席を譲ってくれる人は有りませんか」
と云ふと、声の下から刑事被告人が、
「お
囚人が処刑場へ送られる途中、其前を大勢の老若が急いで
「もし皆さん、そう
付記・このふてぶてしさとくそ度胸、地獄の釜の底を突きぬくのはこういう奴だ。
判事「其方の弁護人が病気になったから、裁判を延期してくれと申すのぢゃな。しかし其方は現行犯で捕まって、既に窃盗罪を自白した上は、弁護人が其方の為に利益ある申立をなし得る所が無いぞ」
囚徒「さあ、其処をどう弁護してくれますか、聴きたいと思ひますので」
付記・100年前から弁護士は定番のジョークネタだったらしい。
病中の弁護士が遺言状を書いた。それを見ると、財産は総て
「ああいふ
歯医者の治療室で一人の患者の虫歯を抜く為に麻酔剤を吸入させる段になった。医者がその仕度に取掛かってゐる最中、患者は財布を出してしきりと銭の勘定を始めた。
医者(治療代を前金に払ふ心算と思ひ)「もし、それは後の事になさい」
患者「どう致して、後にする訳には参りません。是から麻酔剤をかけられて人事不省にならうといふ処ですから、その前に所持金をしっかり調べて置かなくては」
付記・このジョーク、実はジョークでは済まされない。
事実は小説より奇なりで、金どころか内臓を麻酔中に盗まれる事件が現にあった。
そう遠くない、5・6年前の事だと思う。場所は確かインドか何処かで、盗られた臓器は腎臓のはず。
人が空想できる全ての出来事はみな起こり得る現実であるとは言うものの、こんなのは勘弁願いたい。
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