2025-11-01から1ヶ月間の記事一覧
政治事情がすべてに優先されるのが、アカい国家の特徴だ。 政府の、党の、下手すりゃいっそ一個人の面子を守るためだけに、ソロバンだって平気の平左で投げ捨てる。経済的意義ですら、政治的意義を追い越すことは許容されていないのだ。強引な突破を図れば最…
「赤匪」こと支那共産党の戦略は、実のところ読めていた。 国共合作の美名に隠れ、彼らが如何に陰険かつ悪辣なる謀略を張り巡らせていたものか。「他日の雄飛」を目論んで、己が天下取りのため、あらゆる準備工作におさおさ怠りなかったか。日本側にも、掴ん…
まず、原案を自分一手で創り出す。 その次に、主題に据えた分野に於ける専門家らを呼び寄せて、用意の「案」を説き聞かせ、それに対する批評を願う。 「腹蔵なく意見を吐け」と言ってあるから、当然談(はなし)は熱を帯び、火花を散らし時として口角泡を飛…
昭和五年のことである。 電送写真実用化のいとめざましき進捗ぶりを前にして、 「今にラジオは声だけでなく、動画も一緒に送れるようになるだろう」 熱っぽい口調で、興奮もあらわに。──大胆な予測を、下村海南は口にした。 「電送写真の実用化されんとする…
だいたい本屋か水辺かだ。 このごろしばらく筆者(わたし)が遊行する土地は、その二種類に分けられる。 つい先日は、後者であった。 ふと、発作的に相模湖を訪ねたくなって、電車を乗り継ぎ、行って来たという次第。 陽を翳らせる雲はなく、しかし冷たい風…
一次大戦後のドイツ、──ワイマール政体下に於ける超インフレは有名だ。 有名すぎて、敢えていまさら詳説するのも野暮ったい。 現代日本人ならば、ほとんど九分九厘までが義務教育の過程にて、マルク紙幣のブロックみたいな札束を積み木代わりにして遊ぶ、当…
生産過剰になってしまったキャベツをトラクターで引き潰すのと、原理はおそらく一般だろう。 昭和六年、豚の価格が暴落した際、群馬のとある農家では、小豚を生きた状態のまま利根川まで曳いてゆき、淵をめがけてぶち込んで、あとは知らぬ存ぜぬと、始末をつ…
赤い衣(ころも)に、腰の鎖をじゃらじゃらと──。 下村海南、幼少期の思い出に、囚徒の姿は欠かせない。切っても切れない縁にある。年端もいかない少年時代、彼はまったく罪人どもの姿を見ながら大きくなった。 (『Stray』より) これは別段、彼の生家が刑…
「植民地の搾取と並んで、戦時軍隊への商品供給といふことが既に古くから資本主義の栄養根の一つとなってゐた。これと同時に戦争への資本供給を土台にして大金融業が発生し、生長し、このものが『戦争か平和か』といふ決定に対して支配的な影響力を獲得する…
これは下村海南が伝えてくれた情報だ。 戦前昭和のある時分、沖縄、名護の片隅に、天刑病──癩病患者の療養所を建てる計画が浮上した。そのあたりには以前より、顔の崩れた浮浪者どもが群れをなして存在し、これをいつまでも放置するのはあらゆる面から好まし…
肺を病みての死は辛い。 もとより死への道程は凄惨な苦痛を伴いがちな、──ある日ぽっくり、眠ったままで穏やかに死ねる例こそむしろ少数派だろうが。それにしたって肺病は、とりわけ苛酷な責めである。 文豪・武者小路実篤の父、武者小路実世もやはり、肺結…
日下義雄は生前よりも、死後に周囲をやきもきさせた。 なにしろ彼が死んだのは大正十二年なのに、その遺言状が作成された日付ときたら明治四十三年なのだ。 (Wikipediaより、日下義雄) おそらく彼の見立てでは、自分はもっと早めにくたばる算段だったに違…
ちょうどナチスが台頭しだした頃だろう。 その当時、ドイツ医学界にては、手術(オペ)の最中に音楽を演奏する試みが積極的に執り行われていたらしい。 執刀医のパフォーマンス向上を主眼に据えての措置である。 (viprpg『ライチがピアノ弾くだけ』より) …
ショートスリーパーに憧れる。 人生は短いのだ。読める本の冊数も、聴ける音楽の曲数も、自ずと限定されてくる。であるが以上、有意に過ごせる時間というのは多いに越したことはない。日々のあらゆる雑務同様、睡眠にも効率化を図るのは、人間性の赴く必然、…