穢銀杏狐月

書痴の廻廊

事は起すに易く、守るに難く、其終りを全くすること更に難し。努力あるのみ。一途に奮励努力せよ。

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2020-05-17から1日間の記事一覧

昭和七年の不審者情報 ―鶏の祟りに苦しむ男―

その不審者が淀橋署に引っ張られたのは、昭和七年十一月二十五日、草木も眠る丑三つ時もほど近い、午前一時のことだった。 柏木三丁目あたりの通りを、鶏の鳴き真似をしながらほっつき歩いた罪に因る。まだまだ日の出は遠いのに、こんなことをされてはたまら…