穢銀杏狐月

書痴の廻廊

事は起すに易く、守るに難く、其終りを全くすること更に難し。努力あるのみ。一途に奮励努力せよ。

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2020-02-25から1日間の記事一覧

玄理の扉 ―道の果てに至る場所―

禍福はあざなえる縄の如しと世に云うが、鮎川義介にとって大正十二年という年は、まさにそれを体現した一ヶ年であったろう。 まず六月に、長男が生まれた。 鮎川夫妻の間には遡ること三年前、既に「春子」という長女が生まれていたから、これで「一姫二太郎…